ぐうたら妻とは私のことです。

バリキャリからの転落(天楽)日記

不運な日

今日はたまたま見た占いでわたしも夫くんもあまり運のいい日じゃないと書いてあった。

なんとなくそれを頭に入れながらも忘れつつある1日が始まった。

 

(途中、お食事中には不適切な表現がありますのでお気をつけください)

 

急遽物件の内見をすることになり出かけた。

例の物件はわたしの気持ちがワーッとなっていたので

冷静になれるよう友達に相談してみてひとまず焦って決めるのはやめた。

時間もあることだし、なんとなく他の物件も見てみようということになった。

 

 

二つほど別の物件を回ったところで12時半を過ぎていた。

今日のランチは特に決めていなかったが場所と時間の関係で

最近見つけた「トンテキ」の美味しいお店に行くことにした。

 

そこはわたし達お気に入りのトンカツ屋さんの先代が始めた店で

おそらく利益をあまり追求していないお店。

お肉も野菜も全て値段からは考えられないくらい質の高いものばかり。

味とボリュームとコストパフォーマンスの高いお店は大好物なので

本日2回目の来店。メニューを制覇ということで

今回は夫くん「カキフライ定食」わたし「ビーフカレー」を頼み

二人とも大満足に食べ終えた。

 

少ししてお腹の奥の方がムズムズしてきて

これはおトイレのタイミングだとそそくさとおトイレへ向かった。

初めて入るおトイレは広くてわたしにとって問題のないトイレだった。

お腹の違和感と共に一気に込み上げるまま「フォオォ〜!」と放つと

この上なく気持ちよ〜くスッキリとした。

 

一瞬不安がよぎった。

初めてのおトイレは水洗事情がわからない。

1回流すとしばらく流せないトイレとか

水圧が弱く詰まりやすいトイレとか

 

一瞬よぎったものの、「まぁ大丈夫か」と

おトイレの大きさを過信して立ち上がり水を流した。

水の勢いは問題ない。普通のおトイレよりもむしろ勢いがいいくらいだ。

 

が、しかしその時

 

詰まってしまった・・・

 

詰まってしまったのだよ。思い切り。

勢いが良かったはずなのに勢いはいいまま詰まってしまったのだ。

 

焦る気持ちを落ち着ける

なぜなら何度も流すと溢れ出しそうになるところもある。

何度か経験している。

 

少し水が落ち着いてから再度流す。

 

「大丈夫。きっと流れる。だって水の勢いがいいんだから」

心で平静を装うように呟く。

 

しかし・・・流れない。

完全にパニックになり始める。

 

これはまずい。かなりまずい。まずい事態だ。

周りのものを見渡す。スッポン!ってやるやつはないか?

よく詰まるおトイレならあるはずだ!

 

しかし・・・ない。

きっと普段は詰まることなどないのだ。

わたしの勢いが良過ぎたせいなのだ。

 

もう一度流す。

しかし全然全くと言っていいほど流れない。

 

どうする!???

今日で2回目のお店だ。

オーナーの奥さんはわたしの顔を見て「あなたのお顔覚えてるわ」と言ってくれた

とても気さくに話しかけてくれて

今後行きつけになるに違いないと確信したあの眩しい瞬間に思いを馳せる

 

な・の・に・だ

もしここを出て「あの・・・おトイレ詰まっちゃたんですけど」

と言ったらどうなるだろう。

「一体何を流したの?この子」に次回からはなる。

もう2度とこのお店に来ることはできない。

 

どうする?わたしどうする?

このまま知らない顔して帰るわけにはいかない。

どうしたらいい?

 

もう一度流してみる。

全然流れない。

 

もうどうしていいかわからないまま

「ひ・ひとまず、ひとまず一旦ここを出よう。」

そして夫くんのところまでそろりそろりと歩いていく。

 

夫くんはわたしの顔を見てすぐに何かまずいことが起こった事に気がついた。

わたしは立ったまま「流れなくなった」とだけささやく。

夫くんは念の為聞き返したというように「え?」と半笑い。

わたしはもう一度「トイレ、流れなくなった」と小さくささやく。

夫くんは必死に笑いをこらえながらこんな事は初めてではないと慣れた様子で

すぐに立ち上がりトイレに向かった。

 

数分後・・・何事もなかったように夫くんは戻り

その右手には「OKサイン」が出ていた。

 

ありがとう!夫くん

なんて尊い人だ

 

夫くんのおかげでわたしは引き続きオーナー奥さんにとって感じのいい人のまま

そのお店を後にすることができたのだ

 

お店を出ると夫くんは一言「相当したでしょ」とだけ言い

事細かなことは何も言わず、わたしもそれ以上聞く事はなかった

 

わたし達二人とも本当に不運(ウン)な日だったよ、確かに。