ぐうたら妻とは私のことです。

バリキャリからの転落(天楽)日記

週末のお隣さん

週末は夫くんがお休みなので毎週お楽しみのデート。

平日引きこもっているので週末はわたしにとって発散2days。

 

夫くんとはちょうど10年の付き合いになるけど未だに二人でいるのが楽しい。

二人で話してる時が一番楽しいし、ずっと笑ってる。

だからデートとなると毎回ランチをどこで食べるか

その後どこへ行くか、そしてお茶やデザートは何を食べるか。

その計画を毎回立てている。

そして平日とあまり変わらず早起きして出掛けるわけだけど

その際わたしにはちょっとした試練が待ち受けている。

 

いつも二人で出掛けようとするタイミングでバッチリ出てくるお隣さん。

お隣さんと言ってもこちらはアパートで

アパートの隣に立つ一軒家のお隣さんのことだ。

 

わたし達がコンコンと階段を降りていくとだいたい玄関にいて

階段を降りる途中で目が合う。

「おはようございまーす!」と大きな声で挨拶。

お隣さんも「あぁ、おはようございます」とにこやかに挨拶。

 

ここからだ。

ここからがヘンなわたしの癖が始まる。

 

どう会話してどう終わらせたらいいかわからない_

 

きっと意味がわからないと思われるだろう。

夫くんもこれにはいつもよくわからない顔をする。

 

お隣さんと仲良くするのは嬉しいし、

声をかけてくれるのも嬉しい。

お話したい気持ちもある。

 

なんだけど、話すとなると瞬間的に緊張して舞い上がってしまう。

舞い上がってしまうとヘンなテンションになって

意味のわからないことを言ってしまう。

(言ってしまったと自分だけが思ってる)

話が終わって車に乗ると途端に目の前にドブ色の後悔が押し寄せる。

 

そう、このお隣さんとの週末の会話対戦は過去幾度と行われているのだ。

その度に黒星の連続。一度たりとも上手く行った事がない。

 

対戦の流れはだいたい次のような流れ。

階段途中で目が合い大きな声で挨拶をするわたし、

お隣さんはさりげなく玄関でわたし達が降りてくるのを待つ。

いつもはそこで今日のお天気についてとか他愛もない言葉をやりとりして終わる。

いや、終わるというかこの終わり方もわからない。

立ち話と言うものをあまりした事がないので終わりがわからない。

こんなよくわからない隣のアパートの夫婦に聞きたい話があるとも思えない。

挨拶を交わし、ご近所のコミュニケーションとして他愛もない天気や気温の話をして

「それじゃ、ごきげんよう」と立ち去るのが粋なのだろう。

 

しかし!以前「それじゃ、ごきげんよう」とまでは言わなかったが

お天気や気温の会話の後、終わったと思い車に向かったが

その後何か話していたらしく、もう車に向かってしまったら後の祭り

引き返すことはできずそのまま終了となった試合があった。

車に乗り込むと面白がった夫くんが

「お隣さんまだ話してたのにシカトした〜」とこれみよがしに言う。

夫くんはこのわたしのぎこちない交流をいつもよく観察して面白がっているのだ。

いや、シカトしたのではない。

予測不可能な事態が起きたのだ。それにわたしの対応が追いつかなかった。

 

その別の週、会話を試みるもお隣さんのお父さんも加わり少しだけ長期戦となったが

結局終わりのタイミングが分からず

ヘンな空気のまま強制的に車に乗り込んだ事もあった。

 

これから楽しいデートだと言うのにいつもどんよりとした車内でスタートする。

くれぐれも断っておくが

お隣さんと話したくないとか迷惑だと言うことではない。

ただ・・・わかりにくいと思うのだが

とにかくそう言うことではない。

わたしがちょっとヘンなのだと思う。

 

そんな圧倒的負け試合を繰り返したわたしは

完全にメンタルがやられて戦意喪失してしまい、姑息な手段をとってしまった。

 

そう。

 

「気づかないフリ」をしてしまった。

 

階段途中で元気良く挨拶した!

挨拶はしたのだ!しかし後、何かを見るフリしてそのまま通り過ぎてしまったのだ。

 

姑息だ。なんてひどい大人だ。

分かってはいるが言い訳をさせてもらえば

前に夫くんがいたのでもし話しかけてくるなら夫くんに話しかけるだろうと思ったのだ

話しかけないと言うことはもう玄関にはいないということ。

いや、いずれにせよそんなことをしてしまったのだ。

 

夫くんは車に乗り込むと

「お隣さんめっちゃぐうたらちゃんの方見てたよ」と言われ

言い訳を言うも自分自身が情けなくなってしまった

 

怖いがあまりに逃げてしまった

 

またもドス黒いドブ色の罪悪感に呑み込まれていくわたしだった。