ぐうたら妻とは私のことです。

バリキャリからの転落(天楽)日記

大切な存在

生理ちゃんだからと言ってボケボケしていたら

なんと今日は給料日じゃないですかッ!!!

 

金曜日までは引きこもりと心に決めていたのに

キャッシュディスペンサー様のところへ行かねば!

 

朝早々に家事を終わらせて

再度引き落としの計算なんかして準備をした。

今月はカード使用素人が原因でカードが27日まで使えないから

家賃のカード払いができずに振り込みの紙が昨日届いてた。

 

ついでに家賃も支払ってやろうじゃないのさ。

カード使用素人だっただけで別に払えないわけじゃないもーん

と心の中で何度言い訳したことか。

 

webチラシをチェックしたが今日はめぼしい買い物はなし。

ならばいつもより早い時間に行ってしまえば

きっとキャッシュディスペンサー様も空いてるに違いない。

 

キャッシュディスペンサー様はNo.2のスーパーにあって車ですぐなので

お給料の振り込みを確認してすぐに家を出た。

 

今日も天気がいい。

相変わらず少々怪しげな風貌ではあるが

まぁ記帳に行くくらいだ。範囲内だろう。

 

ほぼ見えない顔の状態で車に乗り

相変わらずノリノリのLatin Musicをかけて車を走らせる。

 

この風貌、音楽。。。そら、絶対目を合わせたくないよな。

 

ゴキゲンでNo.2スーパーに着くと予想通り

まだ全然人が来ていない。

いつもより早い時間だからさすがに空いてるゼェ!

とカッコ良く車を停めた(つもり)

 

ササッと車を降りてキャッシュディスペンサー様に近づいていく

人はいなそうだが何か様子が変だ。

再度中に人がいないか遠くから中の足元の方を見る。

人はいない。

けれど機械もない

 

え?

 

キャッシュディスペンサー様の姿がないッ

 

え?え?

 

よく見ると入り口に張り紙がしてある。

わたしは今にも気絶しそうな自分を奮い立たせて

一歩一歩その張り紙へ近づく。

 

もうキャッシュディスペンサー様の姿がないのは明らかだ。

ショックで今という現実を受け止めたくないのに

わざわざ張り紙を見る必要はあるのか?

そんな心の葛藤を静かに見つめながらも張り紙へ近づく。

 

張り紙には撤去された旨が書いてあった。

あまりのショックに詳しい内容は覚えていない。

ある日突然大切な存在が姿を消した。置き手紙を残して。

訳を知りたかったけどわからなかった。

あんなにみんなに愛されていたのに。

なぜこんな突然消えてしまわないといけないのか。

 

近くにはオープン前のスーパーの店員さんがいた。

愕然とするわたしに

「あ〜ここね〜なくなっちゃったんですよ」

言われるのを恐れて

そそくさと車に戻っていった。

 

いや、話しかけることはなかっただろう。

なにせこんな風貌だ。

記帳だけならセーフだったのに

店員さんと世間話は完全にアウトだ。

 

ひとまず車に乗り込み、ショックが隠しきれない自分の心を落ち着ける。

 

あの置き手紙にはかすかに情報が残っていた。

近くのホームセンターにいるという目撃情報だ。

 

このまま素直に銀行まで行くか

目撃情報を頼りにホームセンターへ行くか。

ゆっくりと深呼吸をして自分に問う

 

「銀行まで行く?」

 

答えはNOだった。

 わたしは華麗に車を方向転換し(つもり)

近くのホームセンターまで急いで車を走らせた。

 

一体あそこのどこにいるというのだろう。

そのホームセンターはいくつかの店舗がある大きな敷地だ。

駐車場もたくさんあってたまに行くスーパーもある。

 

前から居たというのか。

それともあのNo.2のスーパーを離れ

あのホームセンターに流れたというのか。

 

今までの場所はかなり穴場なスポットで人目も少なかった。

しかしあのホームセンターは人が多い。大丈夫なのか。

 

ホームセンターの目の前に車を駐車してキャッシュディスペンサー様の姿を探した。

なんと堂々と入り口の横にいるではないか。

すぐに車を降りて近づく。

他の人に先をゆかれるわけには行かない。

 

近づくにつれ中に人はいない事が確認できる。

よしッ!これならゆっくり二人きりだ。

 

そーっと入口を開ける。

今までよりなんだか広くて明るくて少しキレイだ。

 

焦る必要はないのになぜか手元が思うように動かない。

多分新しいキャッシュディスペンサー様に緊張しているのかもしれない。

コミュ障は人のみならぬ機械も適応される。

 

緊張の中記帳も終わらせ、茫然と夢見心地で外に出ると

4人くらいおじちゃんおばちゃんがいた。

ハッと我に戻って急いで車に戻った。

 

今後どうするべきか。

それでも駐車場が多いこのホームセンターまで来るのが得策か。

 

帰り道、初めてNo.2スーパーのキャッシュディスペンサーに

出会った日のことが走馬灯のように頭の中で流れていた。

 

もう会えないんだな。

 

寂しさを胸に家路についたとさ。